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命の叫び-石牟礼道子『苦海浄土』-

2026-05-01

 5月1日、水俣病が公式確認されて70年。

   人類を救済したいという衝動は、支配したいという衝動を隠す表向きの看板であることが多い- 

 

 近代産業社会は、多くの人々の生活を豊かにし、貧しさからの救済を実現した。ただ、その一方で、それが大義名分となり、いつの間にか人命(・・)より(・・)()「産業」が優先されているのではないか。水俣出身の作家、石牟礼道子の言葉です。水俣病というと学校では「環境教育」の問題として扱われます。でも、ほんとうに大切なこと、わたしたちが次の世代に残さなければならないのは、石牟礼道子が指摘するように、被害の事実があったにもかかわらず、「産業」を盾にそれを隠し続け、公式に確認されるまでに、奇病に苦しむ多くの人々の命が失われたということです。それが歴史の事実であり、「ほんとうのこと」です。誰が間違ったのか、何がいけなかったのか、事実に基づいた検証がなされてきたでしょうか。

 

命の叫び-石牟礼道子『苦海浄土』-

 

 産まれたばかりの幼い命が、わけもわからず奪われていく。けっして豊かではないけれど、平凡な暮らしが不幸のどん底へと落ちていく。名もなき無辜(むこ)の民の人生がなし崩しにされていく。悲しみ、苦しみ、そして怒り。この命の叫びこそ、わたしたちが学校教育で後世に伝えていかなければならない言葉だとわたしは思っています。水俣病公式確認70年に寄せて-

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