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令和4年度 卒業式 送辞
2023-03-01

送辞

 

  真澄の空にそびえ立つ

銀杏城を仰ぎ見て

ゆかしく咲いた白菊か

つどうわれらの夢かおる

この奥ゆかしい校歌を、全員で歌うことがなくなって、3年が経ちました。それでも、銀杏城の桜の木には、つぼみが膨らみ始め、確実に時が経っていることを実感させてくれます。

3年前の5月7日、少し遅れた入学式は、「式」という名前を付ける事ができず、入学セレモニーという形で、科毎に分散して開催されたと聞いています。

そのような中で始まった先輩方の3年間は、色々な事を我慢し、模索し、私たち在校生の為に、希望を切り拓いてくれた3年間でした。コロナウィルスの影響で、入学当初からお互いの顔をマスク越しでしか見る事がなく、手洗いや消毒、お互いの距離感を考えるよう言われた先輩方。1年生と2年生では、多くの行事ができず、高校生活最大の思い出となる修学旅行の中止が決定した時はどれほどの思いだっただろうと思います。

 

それでも、その我慢を受け入れ、出来ることを全力で考えてくれたのが、先輩方です。

特に、去年の文化祭では、座席の間隔を考えた上で、みんなが楽しめるようにサイリウムを配布したり、オープニング動画を作ったりして、生徒のみんなが楽しめる事を1番に考えている、生徒会の先輩方の姿を見て、本当に凄いと思いました。

そして、尊敬と同時に私もそうなりたいと思いました。

 

生徒会として、中央高校の校舎を巡っていると、そういう先輩方の姿を沢山見ました。

OA教室で夜遅くまで検定対策をして、自分の将来につなげた総合ビジネス科の先輩。

白衣を身にまとい、実習室で一生懸命実技の練習をして夢に向かっていた看護科の先輩。

受験に向けて日々、暗くなるまで廊下の机でも勉強して自分の進路をつかみ取った特進コースの先輩。

音楽室・美術室・書道室で、自分と向き合い作品を生み出した芸術創造コースの先輩。

多目的室で、「中央の縁側」という地域の方との交流を始め、福祉の新たな可能性を切り拓いた福祉リビングコースの先輩。

商品開発・資格取得・フィールドワークを通して、地域との繋がりを深め、自分たちでやりがいを見出していった総合探究コースの先輩。

今年になってやっと開催できた3学年合同での体育祭や、クラスマッチ…決して完全ではありませんが、どの学科の先輩方も、出来なかった事を、どうしたらできるかと考え、実行して下さったおかげで、私たち在校生も、色々な経験をする事ができました。

そして、その道があるからこそ、私たちはこれからも挑戦していく事ができます。

本当にありがとうございました。

 

本日、晴れてこの日を迎えられた261名の先輩方、ご卒業おめでとうございます。在校生を代表し、心よりお祝い申し上げます。 

 本日、先輩方は、たくさんの思い出を胸に、この熊本中央高等学校を巣立ち、それぞれの道を歩まれます。その道には、きっと思いもかけないような困難と我慢を強いられることがあるかもしれません。そのような時は、先輩方がこの熊本中央高等学校で過ごされた3年間の日々や、共に支えあった仲間、いつも全力で向き合って下さった先生方のことを思い出して下さい。きっと、先輩方の心の励みとなり、強みとなるはずです。

少しずつ光が射してきた社会の中で、どうか自らが選んだ道に誇りを持ち、輝かしい未来に向かってたゆむことなく歩まれることを、心からお祈り申し上げます。

 

 私たちも、先輩方が築いてこられた熊本中央高等学校120年の伝統を、今度は私たちが新たに受け継ぎ、次につなげていく事を誇りとして、歩んでまいります。

 

 名残はいつまでもつきませんが、先輩方のご健康とご多幸、そしてますますのご活躍をお祈り申し上げ、送辞といたします。

 

令和5年3月1日

在校生代表 生徒会会長

平野 ななみ